
安井 豊
「肩こりなのに、おなかを触るんですか?」と驚かれることがあります。
実は、体を見ていると、痛い場所だけでは分からないことがたくさんあるんです。今回は、そんな体のつながりについてお話しします。
肩に触れていないのに、肩の筋肉がゆるむ
当院の施術では、患者さんからよくこんなことを聞かれます。
「肩に触っていないのに、どうして肩がやわらかくなるんですか?」
例えば、肩こりで来院された方。肩の筋肉を触ってみると、かなり硬くなっています。首を動かしてもらうと、動かしにくさや痛みがあることもあります。
ところが、その肩を揉んだり、強く押したりするわけではありません。おなかにそっと手を当てる。
すると、しばらくして肩の筋肉がゆるみ始めることがあります。
もう一度肩を触ってみると、先ほどとは硬さが違う。首を動かしてもらうと、動かしやすくなっている。
患者さんは驚かれます。
「おなかを触っていたのに、なんで肩が変わるんですか?」
もっともな疑問だと思います。
実は、私自身も長年、このような現象を観察しながら、同じことを考えてきました。
なぜ、触れていない場所まで変わるのだろう?
29年間、人の体に触れ続けてきた今も、この問いは私にとって興味深いものです。
今回は、そんな体の不思議なつながりについて、私なりに考えていることを書いてみたいと思います。
肩の状態は、肩だけで決まっているわけではない
肩こりがあると、普通は肩に原因があると考えます。肩の筋肉が硬いから、肩を揉む。肩が痛いから、肩を施術する。
これは分かりやすい考え方です。
もちろん、肩そのものへの施術が必要な場合もあります。
ただ、29年間の臨床で感じているのは、肩の筋肉の状態は、必ずしも肩だけで決まっているわけではないということです。
例えば、緊張すると肩に力が入ることがあります。不安やストレスを感じているとき、無意識に肩をすくめている人もいます。
反対に、安心してホッとした瞬間、肩の力が抜けることもあります。肩を揉んだわけではありません。それでも、肩の筋肉の状態は変わります。
なぜでしょうか。
それは、筋肉が単独で働いているわけではないからです。筋肉は神経系によって調節されています。
そして神経系は、体のさまざまな部分から情報を受け取り、そのときの状況に合わせて筋肉の働きを変えています。
つまり、肩の筋肉は肩だけの問題ではなく、体全体の状態とも関係しているのです。

筋肉は、自分の意思だけで緊張しているわけではない
私たちは、腕を上げようと思えば腕を上げることができます。歩こうと思えば歩くことができます。
これは、脳からの指令が神経を通じて筋肉に伝わり、筋肉が収縮することで実現しています。
では、肩こりのときに硬くなっている筋肉はどうでしょう。
「肩を硬くしよう」と思っている人は、ほとんどいないはずです。
それなのに、肩の筋肉は緊張しています。しかも、力を抜こうと思っても、なかなか抜けないことがあります。
ここが面白いところです。
筋肉の緊張は、本人の意思だけで決まっているわけではありません。
姿勢を保つための調節や、外からの刺激に対する反応など、意識していない神経系の働きも深く関わっています。
もちろん、筋肉の硬さには疲労や組織そのものの状態など、さまざまな要因があります。
ただ、少なくとも筋肉の緊張を考えるうえで、神経系の働きを無視することはできません。
私は20年以上前から、自律神経と筋肉の緊張の関係に強い関心を持ってきました。
自律神経が筋肉の収縮をすべて直接コントロールしているわけではありませんが、ストレスや覚醒状態、呼吸、循環などを通じて、筋肉の緊張にも影響を与えます。
そう考えると、筋肉を変えるために、必ずしもその筋肉を直接揉む必要はないのかもしれません。
私は、そんなことを考えるようになりました。
おなかに触れた情報は、どこへ行くのか
では、おなかに手を当てると、体の中では何が起きるのでしょう。
まず、皮膚には触れられたことを感じ取る仕組みがあります。皮膚が刺激を受けると、その情報は感覚神経を通じて脊髄や脳へ伝えられます。脳や脊髄は、体のさまざまな場所から届く情報を絶えず処理しています。
そして、その情報に応じて筋肉の活動などを調節しています。
ここで重要なのは、情報を受け取った場所と、反応が現れる場所が必ずしも同じではないということです。
例えば、熱いものに触れた瞬間、考えるより先に手を引っ込めます。これは神経系の反射によるものです。
また、突然大きな音がすると、体全体がビクッとすることがあります。耳から入った刺激なのに、首や肩、背中などの筋肉まで反応します。
このように、ある場所で受け取った刺激が、離れた場所の筋肉の働きに影響すること自体は、不自然なことではありません。
では、おなかへのやさしい刺激が神経系に伝わり、その結果として肩の筋肉の緊張が変わることもあるのでしょうか。
私は、その可能性を考えています。
ただし、ここは大切なところですが、当院の施術によって具体的にどの神経回路が働き、どのような仕組みで肩の緊張が変化するのかを、直接確認できているわけではありません。
実際に観察している変化と、その変化を説明するための仮説は、分けて考える必要があります。
私が見ているのは、おなかに触れたあと、肩の筋肉の状態が変化することがあるという現象です。その背景には、神経系を含む体全体の調節機能が関係しているのではないか。
今のところ、私はそのように考えています。
体の中では、絶えず情報が行き交っている
私たちは普段、自分の体の中で何が起きているのか、ほとんど意識していません。
それでも体は、休むことなく働いています。
心臓は血液を送り出しています。呼吸によって酸素を取り込み、二酸化炭素を排出しています。神経系は体の各部分から情報を受け取り、必要な指令を伝えています。
ホルモンは血液などを通じて運ばれ、さまざまな働きを調節しています。免疫系も、体の状態を監視しながら活動しています。
そして、これらは完全に独立して働いているわけではありません。互いに影響し合いながら、体全体の状態を保っています。
例えば、運動すると心拍数が上がります。呼吸も速くなります。筋肉への血流も変化します。体温も上がります。
一つの活動に対して、体のさまざまな仕組みが連動して働くわけです。
反対に、休息するときには、それに合った調節が行われます。
こうして考えてみると、人の体は、たくさんの独立した部品を組み合わせたものというより、全体が絶えず情報をやり取りしながら働いている一つのまとまりなのだと思います。
私は、この全体のつながりをとても大切にしています。
私が施術中に感じる「流れ」とは何なのか
長年施術をしていると、体の変化を「流れ」という言葉で捉えたくなることがあります。
例えば、最初は体全体が硬く、どこか動きがぎこちない。呼吸も浅い。
ところが、ある部分に触れているうちに、筋肉の緊張が変わり、呼吸が落ち着き、体の動きが自然になっていく。
そんなとき、私は、「流れが良くなった」と感じることがあります。
では、この「流れ」とは何なのでしょう。
人の体には、実際にさまざまな流れがあります。血液の流れ。リンパ液の流れ。脳や脊髄の周囲にある脳脊髄液の動き。神経を通じた情報の伝達。呼吸による空気の出入り。
ただし、これらはそれぞれ異なる仕組みです。すべてが一つの管を通って流れているわけではありません。また、私が手で触れたときに感じる変化が、そのまま血流やリンパの流れの改善を意味するわけでもありません。
そこは区別して考える必要があります。
それでも、私が臨床で感じている「流れ」という感覚には、何か意味があるのではないかと思っています。
ある部分の過剰な緊張が抜けると、別の部分もゆるみ始める。一部分の動きが変わると、全体の動きまで変わる。呼吸が変わると、筋肉の状態も変わる。
そうした変化が連続して起こることがあります。
私は、そのような体全体の働きが、より自然に連動し始める状態を、「流れが良い」と表現しているのかもしれません。
「滞りがある」とは、どういう状態なのだろう
施術中、私はときどき、「ここで何かが滞っているように感じる」と思うことがあります。
ただし、これは血管や神経が実際に詰まっているという意味ではありません。あくまで、施術中に感じる体の状態を表現した言葉です。
例えば、ある部分だけ筋肉の緊張が強い。左右で動き方が違う。一部分の動きが、周囲とうまく連動していない。触れたときの反応が、ほかの場所と違う。
こうした状態を見たり、手で感じたりしたとき、私は「滞り」という言葉を思い浮かべることがあります。
そして、その部分の状態が変わると、離れた場所まで変化することがあります。
ここから私は、一つの仮説を考えています。
体のどこかに、全体の自然な働きを妨げている部分があるとしたら、そこが変わることで、全体の状態も変わるのではないか。
もちろん、すべての症状が一か所の問題から生じているわけではありません。原因が複数あることもあります。また、筋肉の緊張だけでは説明できない症状もあります。
ですから、「すべての不調には一つの詰まりがある」という話ではありません。
ただ、体の一部分の状態が、思っている以上に全体へ影響していることはあるのではないか。
私は、日々の施術の中でその可能性を考えています。
では、どこに触れればよいのか
ここまで読むと、「それなら、どこに触れれば体が変わるのですか?」と思われるかもしれません。
実は、ここが施術の難しいところです。
肩が硬いからといって、いつもおなかに触れればよいわけではありません。同じ肩こりでも、人によって体の状態は違います。同じ人でも、前回と今回では違うことがあります。
そのため私は、最初から施術する場所を一つに決めつけないようにしています。
まず、体全体を観察します。立ち方や姿勢。体の動き。左右の違い。筋肉の緊張。呼吸の様子。そして、実際に手で触れたときの感触や反応。
こうした情報を、一つひとつ見ていきます。目で見ることもあれば、手で感じることもあります。
そして、ある場所に触れたとき、体がどのように反応するのかを観察します。
大切なのは、自分がここを変えたいと思っていることと、実際に体がどう反応しているかは、必ずしも同じではないということです。
「ここを触れば変わるはずだ」という思い込みが強いと、目の前で起きている小さな変化を見落としてしまうことがあります。
だからこそ、できるだけ先入観を持たずに体を見ることが大切だと思っています。
29年間の経験で、何が変わったのか
施術を始めた頃と今とでは、体の見方がずいぶん変わりました。
若い頃は、症状のある場所に意識が向きがちでした。肩が痛いと言われれば肩を見る。腰が痛いと言われれば腰を見る。
もちろん、それは今でも必要なことです。
ただ、経験を積むにつれて、症状のある場所だけを見ていても分からないことが多いと感じるようになりました。
そして、体全体を見るようになりました。さらに、ただ全身を調べるだけではなく、
「今、この体はどのような状態にあるのか」「どこに余計な緊張があるのか」「どこが自然に働けていないのか」ということを考えるようになりました。
また、以前よりも小さな変化に気づけるようになったと感じています。
呼吸が少し変わった。筋肉の感触が変わった。力の入り方が変わった。患者さんの表情がやわらかくなった。
そうした変化を手がかりに、次に何をするか、あるいは何もしないかを考えます。
これは特別な感覚というより、長年の観察の積み重ねによって身についてきたものだと思っています。
ただし、自分の感覚がいつも正しいとは限りません。
だから、施術前後の筋肉の状態や体の動きなど、確認できる変化も大切にしています。
同じ場所に触れても、同じ結果になるとは限らない
施術というものは、なかなか単純ではありません。
例えば、ある場所に手を当てるとします。
では、その場所に触れさえすれば、誰がやっても同じ結果になるのでしょうか。
私は、そう単純ではないと感じています。
触れる強さ。手の当て方。触れている時間。患者さんのその日の体調。緊張しているのか、リラックスしているのか。さまざまな条件が関係している可能性があります。
同じ人に同じように触れても、日によって反応が違うこともあります。人の体は、毎日同じ状態ではないからです。
そして、もう一つ私が大切だと感じていることがあります。
それは、施術者自身の状態です。
施術者が力んでいると、うまくいかないことがある
これは私自身の経験です。
患者さんに何とか良くなってもらいたい。そう思うのは当然のことです。
ところが、その気持ちが強くなりすぎて、
「絶対に変えなければ」「何とか結果を出さなければ」と力んでしまうと、かえってうまくいかないことがあります。
以前は、そんな自分に気づかないこともありました。
今は、施術者自身が落ち着いていることも大切だと考えています。
ただし、これは施術者の精神状態が何か特別なエネルギーを生み出す、という話ではありません。
力んでいると、触れ方が変わるかもしれません。必要以上に刺激を加えてしまうかもしれません。体の小さな反応を見落とすかもしれません。
反対に、落ち着いていると、手の当て方も自然になり、患者さんの反応を丁寧に観察しやすくなるのではないかと思っています。
もちろん、これも私自身の経験から考えていることであり、施術者の心理状態と結果の関係を科学的に確認したわけではありません。
それでも、長年の臨床を通して大切にするようになったことの一つです。

安井 豊
自分が体を変えようと力むのではなく、体がどう変化しようとしているのかを見る。
私にとって、施術中の大切な姿勢です。
筋肉の状態が変わると、骨格のバランスも変わる
当院では、施術後に姿勢や体のバランスが変化することがあります。
これについても、私は筋肉の働きが大きく関係していると考えています。
骨格は、骨だけで成り立っているわけではありません。筋肉や靱帯など、さまざまな組織によって支えられています。そして筋肉は、姿勢を保つために絶えず働いています。
例えば、ある筋肉が必要以上に緊張していると、体の動きが制限されたり、姿勢の取り方が偏ったりすることがあります。
その緊張が変わると、姿勢や関節の動き方も変わる場合があります。
また、筋肉はただゆるめばよいというものでもありません。必要なときには、きちんと働く必要があります。
過剰に緊張している筋肉は、余計な力が抜ける。うまく働いていなかった筋肉は、必要な場面で働きやすくなる。
私は、そうした状態が自然な筋肉の働き方ではないかと思っています。
そして筋肉の働き方が変わることで、結果として骨格のバランスも変化することがある。これが、私が考えている体のゆがみと筋肉の関係です。
ただし、施術後に姿勢が変わったからといって、骨そのものの位置が恒久的に矯正されたと断定できるわけではありません。
私が大切にしているのは、見た目だけを整えることではなく、体が無理なく動き、必要な筋肉が自然に働ける状態になることです。
呼吸が変わるのも、全身がつながっているから?
施術中、呼吸が変わる方も少なくありません。
最初は浅く、速い呼吸をしていた方が、施術の途中からゆっくり呼吸するようになる。大きなため息が出る。深く息を吸いやすくなる。
そんな変化を見ることがあります。
呼吸には、横隔膜をはじめ、さまざまな筋肉が関わっています。また、呼吸の状態と自律神経の働きには関係があります。
緊張しているときと、安心して休んでいるときでは、呼吸の仕方が違うこともあります。
ですから、筋肉の緊張や全身の状態が変わることと、呼吸の変化には、何らかのつながりがあるのではないかと思っています。
ただ、呼吸が変わったからといって、その原因を一つに決めることはできません。
筋肉の状態が変わったからかもしれません。安心感が生まれたからかもしれません。ほかにもさまざまな要素が関係しているでしょう。
人の体は、一つの変化を一つの原因だけで説明できるほど単純ではないのだと思います。
昔の人が言う「気の流れ」と、何か関係があるのだろうか
ここまで、神経や筋肉、呼吸、全身のつながりについて考えてきました。
こうしたことを考えていると、私はときどき東洋医学の「気」という言葉を思い出します。東洋医学では、「気が巡る」「気が滞る」といった表現が使われます。
では、「気」とは何なのでしょう。神経の働きなのでしょうか。血液やリンパの流れなのでしょうか。それとも、それらを含めた体全体の状態を表すものなのでしょうか。
私にも、はっきりした答えはありません。少なくとも、「気は神経伝達物質のことだ」といった単純な置き換えはできません。
ただ、昔の人が「気」という言葉で捉えていた人間の状態と、現代の私たちが神経や循環、呼吸などの働きとして理解している現象の間に、何か重なる部分はあるのだろうか。
そんなことを考えることがあります。
もちろん、同じものであると証明されているわけではありません。
でも、人間の体は昔も今も同じです。それを、昔の人は昔の人なりの方法で観察していた。
現代の私たちは、医学や科学の知識を使って観察している。
見方は違っても、同じ人間の体を見ていることに変わりはありません。私は、そうした視点から考えてみることも面白いと思っています。
痛いところだけを変えることが、整体の目的ではない
ここで、もう一度最初の話に戻ります。
おなかに触れると、肩の筋肉がゆるむ。これは、私が施術の中で観察している現象の一つです。
ただ、私が目指しているのは、肩の筋肉をゆるめることだけではありません。
肩こりを感じている人がいたとします。肩の筋肉が硬くなっている。
でも、その硬さは、体の中で起きている何らかの状態の結果かもしれません。その結果だけを一時的に変えても、同じ状態に戻ってしまうことがあります。
では、なぜその筋肉は緊張し続けているのでしょう。なぜ、力を抜こうとしても抜けないのでしょう。体全体では、何が起きているのでしょう。
私は、そこを考えたいのです。
痛い場所だけを見るのではなく、体全体を見る。硬い筋肉を無理にほぐすのではなく、なぜ硬くなっているのかを考える。そして、その人の体が本来の状態に戻りやすくなるように、必要なことをする。
痛みや不調を自分で回復できる体に近づいていくこと。
それが、私の整体で目指していることです。
29年間観察してきても、まだ分からないことがたくさんある
ここまでいろいろと書いてきましたが、私は人の体の仕組みをすべて理解しているわけではありません。むしろ、長く施術を続けるほど、分からないことの多さを感じます。
なぜ、ほんの少し触れただけで大きく変化する人がいるのか。なぜ、同じように触れても変化の仕方が違うのか。なぜ、一部分の変化が全身に広がることがあるのか。
神経系の働きで説明できる部分もあるでしょう。筋肉や呼吸の変化で説明できる部分もあるでしょう。
でも、今の私には、すべてを一つの理論で説明することはできません。だからといって、分からないことを無理に神秘的な力で説明しようとも思いません。
反対に、まだ説明できないからといって、観察している現象を無かったことにするつもりもありません。
分かっていることは、分かっていることとして大切にする。分からないことは、分からないまま観察を続ける。
これは、長年の臨床を通して、私が大切にするようになった姿勢です。
まとめ|人の体は、思っている以上につながっている
「おなかに触れると、なぜ肩がゆるむのか?」
今回の記事は、そんな疑問から始まりました。
神経系は体のさまざまな場所から情報を受け取り、筋肉の働きなどを調節しています。
筋肉の状態が変われば、姿勢や体の動き方が変わることがあります。呼吸や全身の緊張状態も、互いに関係しています。
人の体は、一つひとつの部分が独立しているのではなく、全体がつながりながら働いています。
そのため、一部分への働きかけが、離れた場所の変化につながる可能性は十分に考えられます。
ただし、当院の施術で起きる変化の仕組みが、すべて解明されているわけではありません。
私は29年間、そうした変化を繰り返し観察してきました。
そして今、ますます大切だと感じているのは、「目の前の体が、実際にどう反応しているのかを見ること」です。
肩が硬いからといって、肩だけを見るのではありません。腰が痛いからといって、腰だけを見るのでもありません。体全体を観察し、今、その人に何が必要なのかを考える。必要なことだけをする。
そして、体がどのように反応するのかを丁寧に見守る。
私の整体は、そんなことの積み重ねです。
人の体は、私たちが思っている以上につながっています。そして、私たちが理解している以上に、複雑で精巧な働きをしています。
だからこそ、体を無理に変えようとするのではなく、体が本来持っている働きを大切にしたい。
おなかに触れると、肩がゆるむ。
そんな一見不思議な現象も、人の体が持っているさまざまな働きの一つなのかもしれません。
私はこれからも、その不思議を観察し続けていきたいと思っています。

