「自律神経の乱れ」が心と体の不調の原因かもしれません。
本記事では自律神経の「アクティブ」「リラックス」「フリーズ」の3つのモードをわかりやすく解説し、
健康な毎日を取り戻すヒントをお届けします!
不調の正体は自律神経?
「最近、体がだるい」「肩こりや頭痛がなかなか治らない」「夜、眠れない」――こんな悩み、抱えていませんか?
病院で「特に異常はありません」と言われても、体調が優れない日々にモヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。
その正体は、もしかすると自律神経のバランスにあるかもしれません。
自律神経は、心と体を調整する「司令塔」。
私たちの心と体がどんな状態にあるのかを決める「3つのモード」があります。
それが、
- アクティブモード
- リラックスモード
- フリーズモード
です。
自律神経が「3つのモード」で体を整える
神経科学者スティーブン・ポージェス博士の「ポリヴェーガル理論」によると、自律神経は次の3つのモードを切り替えながら心と体を調整しています。
ちなみに、3つの各モードは私の造語です。
「ポリヴェーガル理論」は難解なので、数冊の本を繰り返し読んでも、私の頭では腑に落ちるのに時間がかかりました。
そこでわかりやすくするために、ここでは大胆に3つの各モードに名前をつけました。
理論との整合性に多少の齟齬が生じるかもしれませんが、そこは目を瞑っていただけると幸いです。
アクティブモード(交感神経)
どんなときに活発になる?
仕事や運動など、体が「戦うか逃げるか」の準備をする必要があるとき。このモードが高まると、心拍数が上がり、体が緊張します。
メリット
緊急時にすばやく行動できる。短期間であれば役立つモード。
デメリット
長時間このモードが続くと、心身に大きな負担がかかります。
リラックスモード(腹側迷走神経)
どんなときに整う?
安全で安心感を得られるとき。たとえば、好きな音楽を聴いたり、友人と笑い合っているとき。
メリット
体と心が落ち着き、自然な回復力が働きます。
デメリット
安全を感じられないと、このモードにスムーズに切り替わりません。
フリーズモード(背側迷走神経)
どんなときに強くなる?
ストレスが限界を超えたとき、体は「これ以上無理!」とシャットダウンして動かなくなります。
メリット
体を守るための緊急避難的な役割を果たします。
デメリット
長期化すると、無気力や体調不良を引き起こします。
ポリヴェーガル理論との出会い
整体師として、多くの方々と向き合う中で、私は自律神経の働きについてずっと疑問を抱いていました。
- 「なぜ、同じ施術をしても効果が全然違うのか?」
- 「筋肉が緩んでいるはずなのに、心身の緊張が抜けない人がいるのはなぜか?」
従来の自律神経理論は「交感神経と副交感神経」の二分法でした。
活動的なときは「交感神経」が優位に働き、リラックス時には「副交感神経」が優位に働く。
この理論では、こうした現象を説明することができませんでした。
まるで答えが出ないパズルを解こうとしている気分だったのです。
そんなときに出会ったのが、「ポリヴェーガル理論」でした。
この理論は、自律神経の働きを「交感神経」「腹側迷走神経」「背側迷走神経」という3つの状態に分けることで、これまで説明できなかった現象を驚くほど論理的に解き明かしてくれました。
「なるほど!」と腑に落ちた瞬間
ポリヴェーガル理論を学ぶことで、私が長年抱えていた疑問が次々と解決しました。
- なぜリラックスしても体が休まらないのか?
→ それは、リラックスモードではなく、フリーズモードが優位なままだったから。
- なぜストレスで動けなくなるのか?
→ アクティブモードが限界を迎えると、フリーズモードに切り替わるため。
- なぜ同じ施術でも反応が違うのか?
→ 一人ひとりのモードバランスが異なるため、施術の効果にも個人差が出る。
理論を知ることで変わった視点
ポリヴェーガル理論を取り入れることで、施術の考え方が大きく変わりました。
たとえば、以前は「症状を改善すること」が施術の中心でしたが、
今では「脳に安心感を提供すること」がとても重要だと感じています。
なぜなら、リラックスモードが働き始めることで、体が自然と本来の自己治癒力を取り戻すからです。
自分のモードを整える方法
3つのモードが整っていると、心と体がスムーズに働きます。
モードを整えるには、自分の状態を観察し、適切な対応を取ることが大切です。
リラックスモードを活性化するには?
1. 呼吸を観察する
深呼吸など、意識的な呼吸は緊張を生み出してしまいます。ただ呼吸を観察するだけ。これがリラックスの秘訣です。
2. 安心できる時間を作る
好きな音楽を聴いたり、好きな香りを嗅いだり、信頼できる人と過ごすことで脳が安心します。
アクティブモードを抑えるには?
1. 無理をしない
頑張りすぎず、休む時間をしっかり確保することが大切です。
2. 適度な運動をする
適度に体を動かすことで、アクティブモードの過剰な高まりを抑えられます。
フリーズモードから抜け出すには?
1. 体を温める
温かい飲み物やお風呂で体を温めると、心身が緩み始めます。
2. 小さな行動を取る
簡単な体操や散歩など、まったく心身に負担のかからない、小さな動きから始めてみましょう。
まとめ:3つのモードを理解して心身を整える
ポリヴェーガル理論が教えてくれるのは、自分の心と体が「今どのモードにいるのか」を知り、それに合わせて調整していく大切さです。
一旦立ち止まって、「体の声を聴く」ということでもあります。
「アクティブ」「リラックス」「フリーズ」のバランスを整えることで、心身が快適な状態を取り戻せるはずです。
まずは、自分のモードに気づくことから始めてみましょう。
それが、健康への第一歩です。